平面構成#7-過去最高作品、描写は残念(紙・はさみ・パイプ・軍手)

ちょっとひとに見せたくなる作品。

ブログを描きたくなる作品ができた。

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平面構成  9月26-27日

B3画用紙 制作時間9時間

課題:はさみ・軍手・ステンレスパイプ・色紙(赤)を用いて平面構成しなさい。

※   はさみのグリップの色は元々の黄色ではなく任意の色に変えること

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 人生3回目のモチーフ(平面)構成だった。制作時間も今までよりもずっと短い。描写力がない人間なので平塗り表現指定の構成などのほうが気が楽。それに芸大の平面構成は現実的なモチーフの大小関係を求められるので、ついつい不思議な世界にしがちな自分にとってはやりにくい感じもする。だけど、その現実感のおかげで現前するモノを実際に配置する感覚、広告写真や小さな空間をデザインする仕事をまかされているようで面白さもある。結局好きだ笑

 近年、芸大の試験は「描写」から「構成」へとシフトしているような気がする。問題をみると実際にそうだ。デッサンも28年度からは石膏だけでなく構成デッサンを選択できるようになるみたい。たぶん、試験問題を改訂しつつあるのは他の美大の影響があるんだと思う。なんとなく芸大は保守的で足が重たい雰囲気がある。デザインというよりもファインアートの大学ってイメージ。たぶん、その雰囲気が有能な受験生に逃げられる原因になっているのだろう(現に逃げられているかどうかわかりません、あくまでもじぶんの憶測)。もちろん、描写を求めなくなったわけではないので描写もありきの構成ということを肝に命じておきたい。当たり前のことだけど、正確な描写はカメラや3Dプリンターにまかせて、人間は機械にはできない部分の仕事をするべきだと思ってる。ただ、だからといってデッサンが不要かというそうではなくて観察力や集中力が養うためにはデッサンは必要なんだと思う。客観性とか想像力、創造力などなど。それによく言われることだけど、相手に自分のイメージをラフスケッチなどで伝えるときに絵を描く力は有効に働くと思うし。

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 数点の構想を考えた。はさみと軍手と紙がじぶんにはどこか「じゃんけん」を思わせたのでそれを感じるような構成。「チョキ」の形をした軍手をはさみに見立て、ちぎったような感じを切り口を紙にもたせ、普通のはさみの鋭いカットとの対比をみせつける構成。紙の下にモチーフが隠れていて、紙がところどころ盛り上がっていたり、紙と紙の切れ目からちらっとモチーフが見える構成。などなど。

 最終的にはハサミで紙を切り、次第に手(軍手)の形になるような構成にした。一番の見せ場は紙から飛び出し今にも動き出しそうな色紙と、形を切り出しているはさみ。ハサミ色は紙に負けないような緑を採用した。一面に冴え渡り、第一印象の強さを演出する赤い数枚の紙。正方形の規則正しいカッチリとした感じと紙のやわらかいな風合いの対比。やらかいけど切り口は鋭利な紙。流れを一時的にとめる重たいパイプとそれにすこし巻き付く手。

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 途中経過。下書き。今回のモチーフはハサミ以外描くのが楽だった。でもそのハサミが難しい。工業製品が正中線に対して規則正しく形が決められていることが多いという先生のアドバイスのもとなんとか描いてみた。形のおかしさは否めないけどハサミだなとわかる程度までには持ってこられた。

 色塗りは紙や軍手などが難しかった。あまり表面に大げさな表情がなかったので。紙は柔らかい感じ。同じ紙の中にも少し起伏を感じさせるように微妙な明暗をつけた。それと端の部分は強めの色を置き、ぱきっとした印象を与えた。軍手は粗野な感じを受けるモチーフだったので水分量の低めの筆でこすりつけるように描写した。「ドライブラシ」っていわれる技法のようだ。アクリル絵具は乾燥したら象の肌のようにぼろぼろとした塊になる。それを軍手の描写にも活用してみた。

 

  そして完成。

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  時間は全然なくて、作業が粗さや描き込み足りなさは否定できない。それでも一応全部の部分に手を付けることができ、未完成感は減らすことができた。構成は割といいと思う。ただ描写力がまるでない。これをしっかりと描くことができればいい作品になりそうだ。講評でも言われたけど金属パイプが強すぎる。色は綺麗だけど見せ場ではないので若干引かせるべきとのこと。また、これはあきれてしまうことだけど、ハサミと紙の関係に違和感がある。本当にこのハサミでこのように紙が切れるのであろうか。どの部分でどの部分を切ってるのか不自然、不思議。もうすこしリアリティを出させたい。

【講評でいわれたこと】

・   見せ場であるハサミが弱い。シャキッと音が鳴りそうな感じ、プラスチックの質感、思わず触りたくなるような感じに仕上げないといけない。

・   軍手の位置がおかしい。(疎密の「密」が固まり過ぎ)

・   描写力が無い

・   平面的な要素と立体的な要素との対比をもう少し活かした配置にするべき。

・   紙の切れ端(手じゃない方のゴミになるほう)は手になるほうと比べて存在感を小さくさせ、手の部分を強調させる。

・   パイプの楕円がおかしい。

・   もうすこし、徐々に手になる様子のプロセスが見やすくなるような構成を。

・   白い余白部分の大きさがきになる。

  いろいろと直さないといけないことあるけれど、一番は「描写力」だと思う。色塗りだからといって鉛筆デッサンと全く違うものでないと思うし、むしろほとんど同じだと思う。学校だけでは時間がないので家での自習でまずはグラス、ダンボールなどといようにまず1つのモチーフをしっかりデッサンする練習を取り入れたい。ブログで頂いた貴重なコメントや先生方の指示を意識して。

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