事故物件に引越す(前編)

 

とにかく安い部屋を探していた。

私は貧乏な学生。もうわずかでフリーターになる。

 

 

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不動産会社に相談し話が進み内覧することになる。

1件目…、2件目…、3件目…、1日終了。優柔不断な性格は繁忙期の社員さんを連れ回していた。罪悪感。

翌日。1件目、、、2件目、、、3件目、、、ああこの日もかぁ。

しかし、次の4件目は本命の物件。キャンセル待ちをしていた部屋。奇跡的に巡ってきたのだ。間取りも良く、何と言っても今まで見てきた物件の中で最もお値段が魅力的。もしかしたら次で決めることができるかも♪道中、社員さんに次で決めますよなんて口走っていた。

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

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.....ついに到着。

ふう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ふう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふう。

 

 

 

 

 

 

 

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「ガチャッ」

待ってましたこの時を。いそいそと部屋に入った↑↑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぷぉーん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 抱かれた。

何かに抱かれた。独特なにおいだった。生まれて一度も嗅いだことのないにおいであったため、これが良いにおいなのか悪いにおいなのか瞬時にはわからなかった。いったい、これは?糞尿のようにすぐに嫌悪する臭いではなかった。そんなお子ちゃまなものではなく、ネタになるようなものではなく、なんというか、その、幾重にも、時間的に、ああ、でもどこか陽気な……

 

「何か変わったにおいがしますね」

なんて言いたかったけど、さすがに罪悪感も感じていたので言えなかった。もうここに決めないと。それに予備校まで徒歩10分の近さだし、めちゃくちゃ安いし。もうここでいいじゃん。

壁紙は黄ばんでいた。ところどころ剥がれも目立つ。

なにか、すべてを知っているような感じの壁紙だった。

 

においの正体はきっとあれだな。タバコだな。よし。「ここにします!」

 

 

 

部屋をあとにし、社員さんと店に戻る。

その車内。やはり、あれが、気になっていた。でもあれは聞いてはいけない気がした。御陰さまで良い物件が見つかりましたなんて会話をしていた。でも、いや、でも。きになる。遠回しに聞いてみた。

「あ、あのー、何であのお部屋って安いのでしょうか?」

「人が亡くなられた部屋なんですよ」

社員さん、涼しい顔で答えちゃいました(^^)

 

 

 

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さて、どうしましょう。

霊的なものは気になりませんがにおいは気になってしまいます。

見た限り床や壁紙を張り替えるといった大掛かりな処置はされていないようでした。事故物件であることは帰りの車内で知ったのでじっくり観察はできませんでしたが。築30年位になるマンションですがまだにローンが残っているようです。(小生が言うのもあれですが)金銭的にひっ迫しているため、なるだけ安価な清掃プランを実施されたのではなんて考えてしまいます。まあ、はなから、重度の汚染状況ではなかったのかもしれませんが。故人やご遺族もいらっしゃることですし不謹慎な話題ですが、におい、においは気になります。

 

 

ま だ   に お い を 感 じ る ということは、

ま だ   部 屋 に い る ってことですし。成分がね。

 

なんだかんだお気に入りの部屋なのでサインしました。

後編はにおい消しの実践について書いてみようと思います。

 

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 ※後編を書くと言っていまだ書いていない状態です(2015年7月現在)