工事現場で感じるプロダクトデザイン

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工事現場にはすっげえ道具がたくさんあります。

たとえば、こういうのとか。

これは「呼び線」というすっげえ道具でパイプの中に電線を通すときに使います。

仮に地面の下にA地点とB地点があるとします。AとBの間は30メートル以上離れています。また、AB間には細長いパイプが通っていてその中に電線を通しAからBまで渡したいとします。しかし、いざ電線をパイプのなかに突っ込んでも柔らかくて曲がりやすい電線は途中でつかえてしまい通すことはできません。

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そんなときはすっげえ呼び線の出番です。呼び線はしなやかでありながらもほどよく硬さがあり細くて長いパイプ内をするすると伝っていきます。あとはAB間を通した呼び線の先端に実際に通したい電線を繋げて引っ張ってみれば仕事は片付きます。

 

さらにすっげえのは出し入れの造作です。線を出したいときには線の先端ではなく線が何本も通って束になっている部分を手で掴みそのままケースに押し込めば押し込んだ分だけ先端がケースから出てきます。また、逆に線をしまいたいときには先ほどとは違う方向へ押し込めば先端が自然とケースに入っていきます。言葉で説明するのはむずかしいですが、実際動かしてみるとすっげえわかります。この出し入れが実現するのは呼び線に丸くなろうとする癖付けがされているからです。黒い輪っかのケースとのコンビネーションすっげえです。すっげえ考えられた製品ですっげえ感動します。

 

きついと思えばきついことしかない現場ですがすっげえと思えばすっげえ現場です。ほかにも現場には紹介しきれないくらいのすっげえプロダクトがあります。そのどれもが感動に値します。また、実物がつかわれているすっげえ瞬間をみることができるのでホームセンターの5倍は面白いです。

 

思えば、 ネジひとつ、ペンチひとつを例に見ても震えるくらいのブツでございます。簡単な構造で最大の効果が得られているといいますかね。もう今ではすっかり見慣れてしまっていてその素晴らしさに気づきにくいが。ぼくも生活に溶け込んでそのすっげえさえ忘れてしまうくらいすっげえプロダクトをデザインしたいです。