静物デッサン#12 テニスボール・ガラス・ワイン瓶・スポンジ・リボン・ビニールボール

静物デッサン9/2/2014

☆制作時間6時間B3

 

今回はモチーフの写真を撮ることを忘れてしまった。

ので、以下詳細。

☆モチーフ ガラス器(精巧な直線だけでなく、ところどころ意図的にゆがみを入れ手作り感を出している製品)・テニスボール(蛍光黄)・ワイン瓶(褐色)・紙リボン(水色、3本ある)・スポンジのボール(やや深めの緑色、2個)・ビニルボール(蛍光マゼンタ、ガラス器の中に入っている)※リボンは上空から見えると三角形にみえるように組まれていた。

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  昨日にひきつづき静物デッサンだった。6時間の制作時間にしてこのモチーフの量は自分とって多いと感じたが、終わらないかもと過剰に心配になることもなかった。どこか自信があった。結局終わらなかったのだけれど。

 構図は瓶を奥に据え、その上部を思い切って切った。やや手前のガラス器の存在感と硬質感、一番手間にあるテニスボールのフワフワ感と対比を利かせる。ガラス器と瓶との隙間に空間を感じさせる。それが今回のおいしいところ、見せ場だと考えて構図を考えた。ちなみに先生からこの構図は駄目だしされた。どうも、瓶を切るのがだめだったみたい。瓶は描き込みが面白いモチーフで魅力的で存在感が出やすいものなので、それを奥に、しかもトリミングするなどもってのほかということだ。うーん。個人的にはそんなにわるい構図だとは思わなかった。確かに瓶を奥に配置するのは躊躇した。自分も瓶を前に持ってきたかったから。だけどだけど、もう描く場所が空いてなかった。構図は数十センチ動くだけでも変わってくるもの。しかし、いくら探しても良い場所はなかった。今描いている位置で縦構図もおすすめしてもらった。うーんしかしこれも引っかかることがあった。縦にするとどうしても左下に大きな空白ができて寂しくなってしまいそうだったから。横位置でさえ、さみしくなりそうなのに。空白ばかりでなく、左側にあるモチーフは軽いスポンジのボールと一番遠くにある瓶だけ。これじゃあ画面が持たないのでは。横にしたのはどうしても右側にある紙のリボンの交差部分を描きたかったのと、瓶の上部を切ることで書き込みにより前に出がちの瓶の存在感をうまく引っ込ませることを意図してだ。上手い具合にモチーフも縦方向と横方向の動きを感じさせてくれてるように配置されていると思ったし。良い構図ではないかもしれないけれど、現時点ではましな場所だと思った。じぶんの考えは間違いだったと後々気づくときがくるかもしれない。素直に先生の意見の通りに従っていたほうがよいのかもしれない。だけども、後々自分の意見が間違っていようとも別に構わない。間違っていた、それだけのことだ。そのときに先生の意見のほうがよかったと反省すればいい。いや、もしかしたらそのときは自分の意見も先生の意見も間違っていたと気づくのかもしれないが。とにかく、徹底的に考えた上で決めた判断なので実行したい。実行せずに後々実行したほうがよかったと気づいたときの後悔は相当だろうし。

 

 途中経過。プロポーションの狂いはあまりない。苦手だった瓶のかたちも良くなっている。いままでは、はかり棒や、デスケルなどで標準をあわせ、どれくらいずれているか測量するようにモチーフの大きさや配置の場所を探っていた。今回は感覚的にまずは描いていき、その後で道具を使って客観的にただしていくという方法を採用した。それがよかったのかもしれない。はじめから1ミリ違わず線と点を置いていくのは時間がかなりかかってしまうし、気も持たない。それに、道具を使うにしたってズレは起きてしまう。計り棒やデスケルは慎重につかわないとズレの原因になる。すこしでも姿勢が変わると大変なことに。形についてはOK。この時点では、ガラスと、そのなかにあるビニルボールの質感の表現がどうすればいいのか悩んでいた。

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  そして6時間がたち、完成。スポンジをはじめ、メインとなるガラス器などに十分な手を入れることができなかったので完成度は低いけど、まんべんなく全体に作業が進められているようには感じる。そのため。どこか安心してみられるデッサンになったと思う。心配していた左下の空白もそこまで気にならない。瓶を切ったことも別に悪くなかったと思う。きちんと奥の瓶は奥の瓶として存在している。いくつか種類があるボールの質感がすべて似てしまったのは頂けない。講評では構図がわるいと指摘された。ああやっぱりわるいのかあとほほ。

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その他、講評では以下のことをいわれた。

・紙のリボンのパースが違う

・アウトラインが弱い

・うまく味付けをする

・ガラス越しに見えるボールや紙リボンはゆがませる。ゆがんでなくとも、ゆがませる。

  確かにそうだなあと反省。紙のリボンは最後までパースの調整がうまくいかなかった。奥から手間に伸びてくる長いモチーフのパースは取りづらいものではあるけどしっかりと取れるようになりたい。そのために、モチーフの奥と手間の先端部分がどの場所にあるかを確認し、それをもとパースをつけるようにすればいいとのこと。

 アウトラインが弱い。うーん。これも確かに。亡霊のようみえるかも。作業の途中でもアウトラインの弱さのことは指摘してもらっていたので自分なりには強めたつもりでいたのだけど、いざ完成品を遠くから見ると弱さが払拭できていないことがわかる。強める作業は2Hの硬い鉛筆でガリガリと描いた。柔らかい鉛筆だとどうしても粉が生っぽく、うまく向こう側に回り込んでいかないし、色が濃いので目立ってしまうとおもったから。どうもそれにしても鉛筆が硬すぎたのかも。Bくらいの鉛筆を尖らして、うまく練り消しなども活用しながらアウトラインをつくっていきたい。

 ガラス越しにみえるモチーフはゆがませる。ああ。って思った。自分のボールはゆがませたつもりだけどゆがんでいるようにみえていない。実際に、自分の位置からはデッサンの通りの軽微な歪みだったし、リボンに関してはほぼゆがんでいなかった。だけど、デッサンの中で状況を説明するには少しばかりの演出必要とのこと。ゆがんで見えない場所に座っているのであれば、ゆがんでみえる場所に移動して、そのゆがんだ形を頂くといいそうだ。

 

以下はほかのみなさんが講評にて言われていたこと

・どこにピントを合わせるかは重要(例:ガラス容器の中にピントを合わせると、ガラスが目立たなくなる)

・浮いているモチーフは下におりる影に注意する

構図の良し悪しはエスキースの段階で決まる

・反射光はモチーフに寄って違いをつける。質感のちがいを表現する

・立方体や直方体などの箱物は頂点がどの位置にあるか前後関係をふまえてデッサンをする

・瓶はうまく面を拾って描く。上を向いている面と立面で明るさは違う

・見た人が、この絵を買って飾りたいと思わせるような気持ちで描く

・紙1枚分の厚さを表現する力の習得を

・水色のリボンとテニスボールなど明度の差があまりないようなものは、あまりないようにデッサンするのではなく、無理矢理どちらかを暗く見立てて違いをはっきりさせること。

・ハムスターになったと考えて、形態や遠近感などの状況がわかるようなデッサンをめざすこと。

 

 点と線と面。Kumi Yamashitaさんの『CONSTELLATION』という作品が参考になる。


Kumi Yamashita