静物デッサン#6(卓上デッサン)瓶・タオル・パプリカ・コード・ケーキ箱

卓上デッサン B3制作時間10時間

ケーキの箱・瓶(ZIMA)、タオル(黄色)、パプリカ(赤)、電気コード(グレイ)

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卓上デッサンというものをしてみた。

予めモチーフが組まれている通常のデッサンとの違い、

卓上デッサンとは与えられたモチーフを自分で自由に配置した上でデッサンをするというものだ。デッサンの力だけでなく構成の巧さも求められる。

 

 

完成したときのイメージに合うように縦構図を選択した。後から聞いた話だが、(今回のモチーフの場合)縦構図は横構図より難しいらしい笑 どうしても手前と奥の距離が横よりより長くなるため奥のモチーフが小さくなりすぎたり手前が大きくなりすぎたり。またタオルやコードなど細長いものは縦よりも横向きに置いた方が遠近感や立体感を演出しやすいからだそうだ。

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今回はこのようにモチーフを組んでみた。

ケーキの箱からモチーフがこぼれ落ちて手前に流れてくるような動きをつける意図がある。流れすぎないように(間延びしすぎないように)流れが変わる部分に瓶を置いた。また流れの最後に固有色の強い存在感のある唯一の自然物パプリカを流れとは違う向きにセットしてみた。ほかにも、柔らかいタオルと固めの電気コードを同じような線で置くことによって対比を利かせてみた。電気コードでタオル持ち上げることによってより硬度の差を強調させた。ケーキの箱の蓋を半開きにすることによってできる陰で面白い明暗表現ができることを狙った。

 

モチーフを組むのに3時間もかかってしまった。いくらか考えていた組み方の中から取捨選択するのに手間取った。ちなみに一番早い人は30分程度で構成を決定させていた。

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一日目終了。今回は制作時間が10時間もあったので焦らず慎重に作業を行っていたせいか進捗がわるい。形をとり、すこし大まかな明暗をつけるにとどまっている。下が若干空白が開きすぎた感じがしたので光源の強さを強くして、陰の幅や色を強く出そうと思った。

 

終了 

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反省すべきはたくさんあるが、強いて良いと思ったのはパプリカの色味が何となくわかるという点と、電気コードの下に出来た陰の形だ。また思い切って画面上部の電気コードを画面の外に切ったところ。実際には紙から切れるほどコードは上に伸びていなかったが絵が小さい感じがしたので切ってみた。以上良い所。たったそれだけ、そして細かい部分のみだった。

 

あとは色々悪い。タオル。特に箱の中にあるタオルの表現はひどい。陰であるため曖昧に見える部分であるとはいえ雑になってしまった。タオルに関しては全体的にわるい。微妙な起伏が出るようにタオルを置いてしまったので自分で首を絞めるような構図にしてしまったことも反省点。もうすこしはっきりとした折り目やピンと伸ばしたりたたんでいる状態の減り張りを強く付ける置き方にするべきだった。それにタオルの置き方が思い切り縦型になっているため一番床の平面を出すのが難しくなる置き方だった。細長いものを縦に置いて描くのは難しいことを改めて思い知った。講評での先生もおっしゃっていたが、今回の課題はタオルの置き方で作品の善し悪しが決まる、というくらいタオルは大切だったみたい。

 

コードももうすこし地面に接する所と浮かんでいるところの減り張りをつけるべきだったなあと終わってから思った。

 

講評では

・モチーフ同士をひっつけすぎない。→まとまりはよくなるが、まとまりすぎて作品に広がりを出すことが難しくなる。たしかにじぶんのはすべて重なっている。

・箱は徹底的に面を意識すること。箱の面は全て違う方向を向いているのでひとつとして同じ明るさの面は存在しない。だけど自分の箱は矛盾だらけ。同じ明るさの部分があるし、箱の中が暗すぎる。

・反射光をうまく利用する。回り込みのあるものは反射光をうまく使うことによって立体感を出すことが出来る。今回は特にパプリカの反射光が弱い、いや極端に強くなってしまっていて反射光なのか何なのかわからないくらい白く抜いてしまった。

 

 

その他先生のお話

・タオルは重要。表情をつけることが大切だがつけすぎるような置き方をすると描写が難しくなる。タオルをピンと伸ばしフラットに敷く部分をつくる。そうすることで床の水平感を表現することが出来る。自分のデッサンは手間にかけてくだりの傾斜がついているようにみえてしまっている。

・ガラス瓶は後ろにモチーフを重ねるように置いた方が透明感を出しやすい。

・モチーフを横並びに置かない。どちらが主役かわからないし、遠近感を出すのに勿体ない置き方。

・背かが高いモチーフを最後部に持っていくのは絵が小さくなる原因になる。

・接地面を見せること、影を見せることによって床を表現することができる。

・アウトラインに寝かせ調子を乗せるとぼそぼそとして目立ってしまう。

・モチーフ同士が前後で重なるときに似たような固有色同士であると描き分けが難しくなる。

・パプリカは強い赤色なので鉛筆をたっぷりとのせるのはよいが、乗せすぎて紙の目をつぶすしてしまうと茹でたパプリカのような退色した感じになってしまう。ギラギラ感を残すこと。

・タオルにも厚みがある。手前の方で厚みの描写を表現するとわかりやすい

 

ケーキの箱の中の描写が難しかったのは単に陰面というだけではなく、ケーキの箱の白とタオルの黄色の色が近い色だったということもあったのだろう。白と黄色。白の方が明度が高いが、今回の状況の場合、ケーキの箱の面の部分の方が陰がつよくなるため、より暗くなり黄色の明度が同じようになってしまう。構成のヘタさが最後まで尾を引く形となってしまった。猛省。