石膏デッサン#8(ヘルメス)-動きの意識
石膏デッサン(ヘルメス)
持ち時間6時間15分(昼食時間込み)
本日は予備校主催のデッサンコンクールがあった。
高校生から浪人生まで一同にデッサンを競い合う。
石膏像を描くコースと静物を描くコースに分かれた。
自分は石膏コース。石膏像が入試に課される大学は少ないため、参加人数も少なめだった。
特にデザイン系の大学はほぼ石膏はない。
(石膏は24人、静物はよくわからんけど100人超)
今までで一番短い制限時間。
前回のゲタよりも短い。
ちなみに本番の試験は7時間。
抽選の結果、モチーフの像(ヘルメス)と席が決まった。
像はヘルメスの他、ジョルジョ、マルス、ブルータスがあった。
他の像はいずれも描いたことがない像だったのでヘルメスに当たってラッキーだった。
ヘルメスを描くのは3回目。
2回も描いたのだからしっかり描きたいところ。
3時間経過。。。
生まれて一番最初に描いたデッサンのモチーフはヘルメスだった。
非常に愛着のある像。造形の美しさも好み。
フラスン語では「エルメス」と読む、あのファッションブランド「エルメス」
英語では「マーキュリー」。ヘルメス君は有名人なのだ。
ゲタでは全体がもやもやとぼやけた感じのデッサンになったのでそこを今回は修正するように心がけた。裸の像なので服がないぶん、量感を見失いにくい。だが、服とは違って身体はよれたりしない精巧にできているものなのですこし形が違うとすこしの狂いが命取りになる。
で、時間終了。
首がどこの間接で曲がっているのかわかりにくい笑
首と頭部が独立してる笑
首という円柱の上に生首が乗せてあるような感じになってしまった。
講評のときに先生に言われてはじめて気づいた笑 違和感は覚えてはいたが。
もうすこし冷静になって作業を進め居ていかねば。
講評では「動き」がないことを批評された。
このヘルメス君は元々全身像で、今回もモチーフはその一部を切り取ってつくった胸像だ。胸像ではわからないが左腕で赤ちゃんを抱え、右腕は木に実っている葡萄をとろうとしている。
自分のデッサンはそういう動きが感じられにくい。あたま、むね、うで。というようにただただパーツを描いただけになってしまっている。
たとえば、ヘルメスのように首を右にかしげたら首の右側の筋肉が縮み、左側の筋肉が伸びる。葡萄をとろうと左上を伸ばしたら同時に左胸の筋肉も上に伸びる。筋肉の伸縮を意識し描写しなくてはならない。
デッサンを初めて2ヶ月でこの作品という点では褒められられた。
実際に順位も恐れていた最下位ではなく14位(24人中)だった。ここで一番になっても合格できない大学を目指しているので14位なんて喜ぶ数字ではないが、嬉しかった。経験の差をこえてここまで順位を上げて来れたからだ。秋にも、コンクールが開かれるようなのでそのときには理想は1番、最低でも3位以内を目指したい。入試のときは世界一になる笑
いつものようにほかのひとが指摘されていたことも箇条書きで。
・マルスは背中側も造形されている像。実際に描くときに見える正面だけでなく見えない背中の動きも意識して描くこと。デッサンの見たときに背中がどうなっているかわかるレベルまで持ってくること。
・逆光の場所で描くと、調子をつけたつもりでもついていないことがある。しっかりと陰色をつけること。
・アウトラインと中身を描く作業は互いの関係を調整しながら描く。形をとりました。中身を描きました。それだと塗り絵になってしまう。
・暗さの繋がり、明るさの繋がりを美しく。
・髪の細かな起伏など特徴のある部分を描くときは全体のバランスを意識して書き、胸など広い面でできていて特徴があまりない部分は細かな形の変化を見つけて描くこと。
やはり、いつも感じるのは「わかっているのにできない」ということだ。頭ではわかっているのに、実戦することができないという状態。それはわかっていないということだ。というひとがいるけど、頭でもわかっていない状態とはまた違うと思うのでそこは分けて考える。まあ、それはわかっていないと言ってるひとは文字通りの意味でなく結果としては同じだという意味で言っているのかもしれないが。ほんとに、そう。頭でわかっていても出来上がるデッサンに形として出さないと何も意味がない。早く脳から手への伝言ゲームを上手くやれるようになりたいな。
頭ではわかっているのにできない。という状態を打破するのが結構難しい。割と何でも頭ではわかってしまうことはたくさんある。こういうスウィングをしたらあんなに力強い打球が打てる。っていうのはプロ野球を見ていたら理解できるけど実戦するとなると難しい。そんな感じだ。自分がずっと続けていた野球では「頭わか状態」を打開するために、トスバッティングや素振りなど反復練習を行う。反復練習は何気なくやっていたらただの筋トレになってしまう。技術をあげるには毎回毎回集中して正しいフォームや打球の感触を確かめて打つことが大切だ。そのためには集中するだけでなく回数を重ねることやほかのひとに見てもらったり、ビデオで打ってる様子を撮影したり客観的に見ることが肝要。そうすることで意識して行っていた正しいフォームがいつの間にか意識しなくても感覚的にできるようになる。自転車に乗れるひとが対して意識せずに自転車に乗れているような感覚。デッサンももしかしたら同じなのかもしれない。上手いひとの技術を真似て、参考になる部分は取り入れる努力をし自己矯正につとめる。なにかがそつなく意識せずにできるようになると今度はさらに次元の高い作業に取りかかる余裕でも出てくるだろう。
明日は平面構成だ。前回は居残りになるほど時間がかかってしまったので限られた時間の中で完成できるように励みます。