人物デッサン#1

課題 人物デッサン (11時間)

条件・木炭紙判画用紙

  ・背景は描かないこと

  ・全身を入れること

 

 人物デッサンをした。

 これまた初めてだった。

 静物と違って生ものであるため描いていて面白かった。たとえば、瞬きをしていたり、たとえば、モデルさんが休憩後、再びポーズをするごとに服に出来る皺の形が変わったり。

 

 身長高めで年齢は自分と同じくらいの女性のモデルさんだった。パイプ椅子に座っているポーズを描いた。

 モデルさんって大変だなあと思った。20分ポーズをしたら10分休憩するという作業をを9時から16時まで繰り返す。静止するというのは運動するのと同じくらい体力を使うんだろうなあと見ていて思った。それに同じところを常に見ているので目も疲れそう。

 

 席は抽選で決めた。抽選よって各人に番号がふられ、その番号が若い順に自由に席を決めることが出来る。残念ながら自分は14番(20人中)だった。一番描きたい場所はすでに取られてしまっていたので、思い切って一番描きにくい真正面の位置を選ぶことにした。真正面の位置は奥行きが出しづらいため敬遠される。また、今回のモデルさんのポージングだと、どうしても真正面だと1本の棒のような単純な形になってしまう。それに関係して余白の部分も単純な棒形のもの、それに大きなものが2つできてしまう。だけど、正面の位置でしっかり描けるとモデルさんの迫力が存分に出ると思ったし、難しい場所で描く練習にもなると思ったので選んでみた。

 

 今回は三菱uniだけを使って描いてみた。モデルさんのエネルギッシュで有機的な特徴が出ると思ったからだ。uniの方が紙触れたときの感じが好きだ。削りやすいのもいい。ただし、石膏の色味を表現するのは難しいかなとおもったので避けてきた。初心者が道具にこだわるなんて(本意は道具にこだわり過ぎがんじがらめにならないようにということかもしれないけれが)っていうひとがいるけどはっきり意味がわからない発言だと思う。弘法ではない初心者だからこそ使いやすい道具を選ぶべきだと思うからだ。それに問題解決のための表現のため適当な手段(道具)を選ぶのはデザインでも大切なことだと思う。鉛筆を選ぶ所から勝負は始まっていると思うのでこだわりたい。模倣。形から入るって大切だと思う。

  

 クロッキー。今回は木炭紙判の紙が配布されたのでそれを使った。やはり、余白の大きさが気になる。だが仕方がない。モデルさんとは正対しているが、モデルさんは椅子の向きと少しずれた向きで座っていた。そのため、椅子には少しパースがつく。左に大きくつくため。画用紙の中心よりやや右の位置に寄せて描くことにした。肩の位置などを注意深く観察した。

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 一日目、終了。肩や肘、膝など、間接の位置を意識てして形を合わせていったがどうしてもずれてしまう。難航した。次の日まで形取りは続く。

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9時間経過。残り2時間。

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 完成。

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 どうにかこうにか、人っぽい。という程度には仕上げることが出来た。プロモーションをとるのに力を入れたからだ。首が縦に長く、頭部も少し立てに長いのが気になるが。それに、二の腕部分も長く見える。

 形を取るのに時間がかかりすぎてしまい、中身の描写については粗くなってしまった。そのせいで顔や足が汚れてしまったように見える。Tシャツの裾が少しめくれ上がっている様子を描いてみたが上手く表現できず、尖ったズボンを履いているように見えてしまっている。そしてなによりも。目が宇宙人にようになってしまった。顔が似すぎていたらモデルさんのプライバシーを配慮して掲載を取りやめたがこれだったら大丈夫だ。完全に別人なので。

 いやそれよりももっとひどいのは手と足だ。時間に余裕がなかったせいもあるが、そもそも描くのが下手なので大変なことになった。手はモグラの手のようだ。(モグラの手がどんな形をしているかというのはわからない。勝手なイメージです)

 今回自分が意識して描いたのはモデルさんの特徴を描写することだった。人物デッサンをするときはモデルさんの魅力を抽出する必要がある。魅力的なものを魅力的に描きたいと思う気持ちが大切だと思う。

 

  

 講評では言われたのは以下の点だ。全くその通りだなあ。と思った。

 ・手のクロッキーを早急に行うこと!

 ・こすり調子に頼りすぎないこと

 ・形取りを早くできるように。中身の表現をする時間を確保するために。

 ・立体感がない

 ・太ももの形がおかしい。椅子に座っているため、もうすこし横につぶれたような形になる。総じて、全身の肉感が足りない。固い印象をうける。

 

 絵などの美術を志してきたひとにとって手を描くという訓練は、野球のキャッチボールのように基本的なことらしく、それなりに回数も重ねているものらしい。手を描くのってすごく形をとるのが難しい。間接の数が多いし、同じ長さや太さ、向きのものが5本ついているわけではないからだと個人的には思う。そのため手は色々な表情をもっている。握ったり、開いたり、軽く握ったり、手の甲を反ったり・・・。見る角度によってもまた変わってくる。本当に面白いモチーフだ。こんな身近にそういうものがあるなんて。描くぞ、描くぞ、よっしゃあ描くぞ。

 

 こすり調子を多用してしまったのは反省している。調べによると、芸大の一次試験はカーゼや擦筆の使用が認められていないようだ。持ち込み禁止なのか、使用禁止なのか、はたまた擦り禁止なのかはわからないが。もしも、持ち込み禁止だとしたらありがたい。自分は洋服の袖をガーゼ代わりに使うと思う。指で擦るのもありだし。まあそういうことをしなくても鉛筆の濃淡やタッチ、練りゴムなどを使ってで回り込みや奥に引っ込む感じを出す練習をしておかなければならない。

 

 立体感を出すのにはすごく苦労した。最終的に出ることはなかったが。石膏デッサンでも真正面の位置から描く機会が今後ないとは限らないので正面であってもうまく出す練習を重ねたい。

 

 肉感。人間は生き物だ。骨と肉がついている。じぶんのやつは骨張っている感じ強いなあと思う。骨に対してどのように肉がついているのかよく観察して、見るだけではわかりにくい場合は自分のからだを触ってみるなどしてうまく構造を理解しておきたい。体温を感じさせる絵にしないといけない。

 

 そのほか、ほかのひとに対して、あるいは全体に対して講評で先生がいったことを箇条書き

 ・目の高さと耳の高さの関係など身体の特徴を観察しおさえておく。たとえば、くるぶしの骨は外側より内側の方が高い位置にあるなど。太ももの長さは手の長さの2倍から2.5倍など。

 ・関節部分は見せ所となる。膝、踝、肩、肘など。また形や位置も重要となってくる。かつ、むずかしい部分でもある。曲がるべき方向に曲がる関節であるように描く。

 ・人物以外のモチーフもかたちをとる上で重要になってくる。(今回の場合はパイプ椅子、この椅子の脚の向きや大きさ、手前と奥の遠近感でモデルさんの感じが変わってくる)

 ・タッチの強弱で人物のもつ雰囲気を表現する。人物は工業製品とは違い、あまり整理して書いてしまうと動きのない絵になってしまうこともある。丁寧に崩して描く部分もある。

 ・綺麗に描きすぎてもいけない。ひとは実際よりも綺麗に描きがちである。

 ・床の見え方も大切。直接床を描いてはいないのではっきりとは見えないが、地面と接しているパイプ椅子や脚で間接的に表現される。床はどのような高度から描いているを決める重要なものである。

 ・顔を似せるのはものすごく難しい。人物デッサンの場合、遊び心を持ってより特徴的に描くのもひとつの手である。

 ・平面に見えるようなところや、顔のような狭い部分にもたくさんの面が存在する。そしてその面の向きは上を向いていたり下を向いていたりそれぞればらばらになっていることを意識する

 ・洋服の皺など、ポージング毎に変わってくる部分はいつも大体皺になる部分をピックアップして描く。

 ・洋服の皺はあくまでも細かな部分である。実際に普段絵を描くとき意外にも皺には目がいかないものである。そのためわざとらしくならないように控えめに目立ちすぎないように描く。

 ・上半身と下半身というように単純にわけない。上半身と下半身をわかつ、腰の位置は重要である。腰の向きや大きさをおさえる。腰から脚がどのように出てくるかをしっかり考える。

 ・思い込みや感性のままだけで描かない。からだのバランスが崩れる原因になる。

 ・最初の下地の色を活かす。大きく明暗など下地を乗せ、中盤以降は大きな仕事は極力しないようにする。大きな仕事(突然強い線を描くなど)をしてしまうと未完成のようにみえる。

 ・逆光の場合は、金属であっても無用にギラつかせない。

 ・椅子から立ち上がったときのプロポーションが想像できるように描く。

 ・顔を描くときは福笑いのようにならぬように気をつける。目。鼻。口。というようにそれぞれのパーツを単体独立なものとしてわけて描いてしまうとそうなってしまう。顔はすべてのパーツのつながりを意識して全体のまとまりが崩れぬよう意識す。

 

 改めてだが、やっぱり人物デッサンは楽しい。生きているものを描くのは描きがいある。あんなに長く人間を描いた(見た)ことはなかった。じぶんの勝手な思い込み(脚はこういうかたちをしているなど)が崩れる心地よさを感じた。モデルさんにはとても感謝してます。

 モデルさんが休憩しているときには基本的には描くことが難しい。自分らは制作時間中とはいえ、実質休憩状態になる。しかし20分作業を行って、10分休憩をするというのはそこまでわるいものではないないなあと感じた。いい具合に集中力が持続する。欲を言えば、40分間くらい作業して休憩をいれるのが良いのだが。やっぱり20分ってすぐ終わるし。デザイン科の場合、人物を描くことは滅多にないが、今年は大盤振る舞いということでまた描く機会あるみたい。やったあ。今度はしっかり描くぞ。石膏デッサンなどに通ずる部分もあると思うしためになると思う。 

明日は日曜日だがアトリエに行って石膏を描いてくる。モリエールさん。待っててね。

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