立体構成(粘土塑像)#1

課題

任意の大きさの直方体の上に模刻したサザエを置きなさい。

使用するもの

粘土、三角定規1組、雑巾、ビニル袋、へら、粘土板

 

 はじめての立体構成(粘土塑像)だった。入試課題で粘土塑像があるところは少ないため、じぶんも含めて初心者が多くいた。

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 結構自信があった。簡単そうだったので。しかしやってみると難しかった。他の人の粘土より水分量が少なく堅かったため柔らかくする作業に時間がかかったのと、粘土の中に不純物(小石)がたくさんあっため傷ができやすかったというハンディキャップはあったが(←言い訳だけどかなり重要)それを考えても、今回はまずいものができてしまった。

 2日間の課題であったが2日目の終了1時間前まで直方体制作をしていたのがまずかった。おかげでサザエは大急ぎでつくることになり、とんでもないものができてしまった。

  

 これが作品。サザエが特に酷い。ぶつぶつできてる笑

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 講評では直方体が小さすぎることと、サザエのとげがでかすぎることを指摘された。サザエのとげは時間がなくとりあえず付けとけという調子で進めていたので仕方がなかった部分があるが、直方体のサイズは確かに小さないなあと思った。本当はもっともっとおおきく仕上げるつもりだったが面をきれいにするためにかなり削ったためこのようなものになってしまった。次からはそのあたりも計算して作業に取りかかりたい。 

 ただし、削りがうまくいっていたとしても直方体の大きさは小さめで作る予定でいた。理由はサザエを大きく見せるためである。粘土板の大きさ、直方体の小ささ、サザエの大きさを目立たせ、砂時計のような、くびれのしっかりした人のような形に全体がみえるようにする意味もある。ただ、やはり今回は小さくなりすぎてしまった。 

 その他講評では、以下のことを全体に対して言われた。

・模刻はデッサンと同じように大きな部分から行う。モチーフを幾何図形に置き換える。

・サザエはサザエのように見えるようにしないといけない。粘土に見えてはいけない。

・粘土板の大きさと本体の比率をかんがえる。

  

↓上空より。像と粘土板の余白バランス。

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  今回は気になることがあった。これは平面構成のときにもいえることだが、採点基準が非常に不明瞭であること。すこしではなくかなり気になった。粘土塑像の作業自体はかなり面白いのだがこれが残念。この課題は絶対外部の先生にもみてもらいたいと思った。今お世話になっている先生が頼りないわけではないけど、そうではなくて単により多くのひとに見てもらった方がいいなあと思った。そして他の学生の作品も拝見したい。 

 サザエ本体だけに着目すると評価基準は明らかだ。模刻だから実物を忠実に再現しなくてはいけないということ。直方体もきちんと直線をつくらないと行けない。角を90度にしないといけない。その基準はわかるのだけど、構成面に関しては不明すぎる。例えば、直方体を粘土板のどの位置に持ってくるかだとか、直方体の大きさをどうするか、サザエの向きや置く場所はどこにするかなど。今日見た限り評価するひとの主観によるところが大きいと思った。今日はたったひとりの先生がみんなの作品を評価していったのだけど、個人的にいいなあと思った作品が叩かれてたのが気になった。主観による評価であることに問題はないのだけどね。東京芸大の先生が好む作品を作ればいいわけだし。ただ、今日の先生の主観(好み)は自分とかけ離れすぎていたから不安になった。どうせならみんな全員がすべての作品を講評していくという形の方がより多くの意見(主観)が聞けていいなあと思った。ちなみに自分の作品は客観的にはもちろん自分で見てもだめこりゃって感じる笑

 

 また今回先生の発言気になったことがあった。作業をしているうちに予定していた直方体の置き方よりも良いと感じた置き方を考えついた。そのため、計画を変更して置き換えようとした。すると「だめ!」と言われた。「計画を途中で変更するな!」と。

 これはいかがなものか、と自分は思った。計画は大切でありそれ通りに進めることがほとんどの場合望ましいことであると思う。だけど計画は作業する以前の段階のものである。台の上に直方体をどのように置くかというのをモノ(粘土でつくった直方体)ができていない時点で頭の中でイメージして考えなければならない。ものすごく入念に計画を立てても明確にこれだ!と言えるポイントを描くことは難しいと思う。作業を進めて行く上で、可視化できるモノできてくる。すると、あ、計画ではこうしていたけど実際直方体作ってみるとなんかいまいち印象が違うなあってことが出てくると思う。見えてくるものあると思うのだ。エスキースを紙の上だけでやるんじゃなくて実際にミニチュアサイズのものを実際の粘土で作ることも大事だと思うのだが。

 それに今回の変更の場合。直方体を最初から作り直す作業というような大きなものではない。ただ単に直方体の置き方を変えるだけである。5秒でできる作業だ。それをやるな!というのは少しおかしな気がする。責任を持って計画を立てるのは大切なこと。だけど、違うなあと感じたら柔軟に変えてみるのも得策なのではないか。じぶんはそう思う。

 「じぶんはそう思う。」というときはきちんと先生だろうが意見を言うことにしている。具体的な根拠を示して。ただ今回は何度も意見言い過ぎてご立腹された印象を受けたので黙ってうなずく君になってしまったので後悔している。 

  

↓下の動画。おっしゃる通りだと思う。最後の癖に関する言及は除いて。

 今回の講評は小さいもの作品はすべて否定された。小さく見えてしまったら確かにだめだけど、サザエの置き方や形によってはこの直方体の大きさで上手くまとまる見せ方があるかもしれない。まあ今回は修正不可能なほど直方体が小さかったのは反省しています。 

 こういうことも含めてより多くの人の作品をみてもらいたい。夏は他の予備校に少しお邪魔したいなあと考えている。改めて言うが、今通っている予備校が悪いのではなく、自分が下手なのがわるい。先生が頼りないのではなく(いや完全に信頼はしていないが)、どのような点が下手なのか、または良いのかをより多くの側面から指摘してくれることを望んでいるのだ。

 「なんか」良いとか、「なんか」悪いという意見だけで終わるはもうこりごりだ。先生は大好きだ。