静物デッサン(細密)#4.5 松ぼっくり
松ぼっくりの細密デッサンを描く。(5月13日)
細密デッサンと普段描いているのデッサンとの違いを理解しないまま描き進めてしまった。細密デッサンとはその名のとおり細やかな部分まで描写をするデッサンのこと。通常のデッサン作品はやや離れたところから眺めて評価するが、細密デッサンは1mもない距離から作品を判定する。
松ぼっくりのような、いわゆる自然物と言われるものは、形状などに秩序がないものだと考えがちであるが、実は規則正しいかたちをしている。上(上と言ってもどこが上なのかわかりにくいが)から見ると、上下のかさ同士が重なり合わないようになっている。幾何学模様のように寸分違わずリズムを刻んでいるようなものではないが個人的に自然物はそれ以上にもっと正確なリズムを刻んでいるのだと考えている。だって自然のものってものすごく合理的に作られているじゃないですか。人間だってそうでしょ。腎臓とか指の形とか、多分これってベストな形状じゃん。
で、デッサンですが、こんな感じに仕上がりました。
まずは構図、余白に対して松ぼっくりが小さすぎる。。。ただこれは言い訳したい。細密デッサンというからてっきり原寸サイズで描くものなのかと思ったのですよ。小さすぎるのは重々知った上でデッサンしてました。次から気をつけるよ。
ああ、それにこれは問題。松ぼっくりを中央から少し左に寄せることでバランスをよくしようとしたが、少々寄せすぎた。もうすこし中央よりの方がいいかも。
さらに問題。松ぼっくりは普通地面に落ちているものであり基本的には横たわっているもの。自分の松ぼっくりはやや左に傾斜しているとはいえ、ほぼ立っている。不自然ですね。
さて、肝心の描写。輪郭は割と松ぼっくりらしい形になっていると思う。ちょっと角が尖りすぎているような感じはするが。
質感。スポンジのようにも見えるし刃物になりそうな石がたくさんついているようにも見える。松ぼっくりのカサカサ感はどっかへいき、金属っぽいギラギラが少しだけ顔をのぞかせている感じがする。原因は明部と暗部の減り張りをつけすぎたところにあると思う。中央左部のハイライトの部分は完全に色が白く飛んでしまっている。光があたっているからといってむやみやたらに投げやりに何も作業をしないというのはよくないね。雑だ。そうです雑です。先生が言っていたが「デッサンの作品というものは製作中の心がそのまま出てきてしまうもの」らしい。同じものを何時間もみて、描くのは骨が折れる作業。「まあ、このあたりはこうしときゃいっか」という妥協は作品に直接影響する。「線の1本1本に責任を持て」という発言がしみました。惰性で鉛筆を運ばせるのはよくないね。
また、松ぼっくりのかさの先端部分は、よく見ると面白い模様になっている。今回はうまく描写できなかったが次回は丁寧に行いたい。細密デッサンは線のひとつひとつがいつもより余計に重要になってくるので「ほぼ常に鉛筆は尖らしておく」ということも肝に銘じたい。この作品は3Bの丸々鉛筆やBのガサガサ削り具合の鉛筆を多用したせいでボソボソとした線になってしまった。
立体感。これは松かさの描写を疎かにしたおかげか(?)割としっかりできていると思う。ただし、全体のバランスはもちろん大切だが松かさ一枚一枚にもっと着目し描写しないといけない。
色味。これはコントラストが高いのは気になるけど、ちゃんと松ぼっくりの色味になっている。と思う。ユニとステッドラーを混合した。変なところでこだわる。松ぼっくりのわずかなオイリー感と赤褐色をユニで、矛盾だが乾燥した感じをステッドラーで表すのがねらいだった。
ダラダラと。メモ風に今日も書きました。